エリアA(三重大学):観察実験講座「心臓はどのように動いているのか」を行いました

8月6日(土)、三重大学にてエリアAの観察実験講座「心臓はどのように動いているのか」が行われました。講師は三重大学医学部の西村有平先生でした。

本講座の目的は、心臓の動きと血液の流れを観察し、心臓の動きを調節するメカニズムについて考えることでした。最初に、私たち人間の心拍数が変化するタイミングについて考えました。受講生は運動した時や緊張した時に心拍数が多くなることなどを述べていました。

心臓の拍動調節に関する実験を行うために、脊椎動物のモデル動物として広く用いられている「ゼブラフィッシュ」の仔魚を用いて、心臓の拍動と血液の流れを観察しました。観察には、三重大学教育学部の後藤太一郎先生が開発したモバイル顕微鏡「ミエル1ミリ」を使用し、写真や動画で記録しました。

心拍数の測定では、まず平常時の心拍数を調べ、次に未知の薬品を加えた場合の心拍数を同様に調べて平常時との違いを考えました。受講生はゼブラフィッシュの仔魚を観察し、10秒間の動画を撮影してから再生して心拍数を測定しました。そしてグループで結果を共有し、平均値を算出しました。未知の薬品はA,B,Cの全3種類あり、同様の操作を繰り返して実験を進めました。

実験後、6グループの実験結果から、薬品Aでは心拍数が増加、薬品Bでは変化なし、薬品Cでは減少していることに注目して意見交換しました。その後、西村先生から薬品Aはアドレナリン、薬品Bは薬品無し、薬品Cはアセチルコリンであることが伝えられ、受講生はアドレナリンによって心拍数は増加し、アセチルコリンによって心拍数が減少することを学びました。

最後に、薬物投与による心臓の活動を調べるシミュレーションソフト「バーチャル・ラット」を用いて、PC上で色々な濃度のアドレナリンやアセチルコリンを擬似マウスに投与した際のシミュレーション実験を行いました。心拍数だけでなく、血圧の変化や、薬物投与した後に回復する理由などについて考えました。受講生は心臓の拍動がどのように調節されているか、実験とシミュレーションを通じて学ぶことができました。