6月18日(土)、zoomを用いてエリアAを対象とした観察実験講座が行われました。講師は三重大学工学部の小竹茂夫教授でした。
小竹先生は、今回の実験目的を受講生が自宅でも工夫して実験の組み立てを考えることし、液体温度計(水ー油時計)を使って温度測定を行うにはどうしたらいいか、実験をしながら考えていきました。
受講生には事前に液体温度計、棒温度計、ストップウオッチを配布しており、事前実験をしてもらいました。その結果を各自がグラフに書き込み、小竹先生から指名された受講生が発表しました。グラフについて、先生から「もっと温度が高かったらどうなるか」という質問が出ましたが、受講生からは「もっと早く落ちるようになると思う」という答えが出ました。
その後、実験結果を示す点の間がどうなっているかを予想し、受講生は「もっと下がるのではないか」という発表していました。受講生の書いたグラフには、点と点の間を折れ線グラフのようにつないだものが多く見られました。そこで、先生から『滑らかな線になるようにグラフを描くと、かかった時間か温度が分かればもう片方が分かるグラフができる』ということを教わりました。このグラフを見れば、計測していない時点でもおおよその結果を予測することができます。
次に、事前に冷蔵庫に入れて冷やしておいた水-油時計を用いて、油が落ち終わるまでの時間を計測する実験を行いました。ブレイクアウトルームに分かれ実験を行いましたが、各自とても熱心に取り組んでいました。
計測した開始時刻と終了時刻の差から、落ちるまでの時間を計算しました。その値を使って、開始時刻と終了時刻の中間時刻を求めました。表のその他の項目には、開始時刻と中間時刻の差を求め書き込みました。計算が多く苦戦しているようでしたが、先生に質問しながら進めていました。
表が完成したら、横軸を経過時間(秒)、縦軸を落ちるまでの時間(秒)としたグラフを作成しました。事前課題の結果で作成したグラフを参考に、落ちるまでの時間から温度を予測しました。
今回の観察実験講座では、液体の温度が上昇すると共に落ちるまでの時間がだんだん短くなること、また、グラフは緩やかに変化していくことの2点を学びました。計算が複雑で、全員が最後まで活動を行うことは難しかったようですので、ぜひご自宅で続きをやっていただきたいと思います。実験を進める際の環境作りや条件制御、結果に誤差が出たときにその原因はなぜ起きたのかを考える等、今後の研究に役立てて行ってほしいと思います。