7月30日(土)、エリアDを対象とした観察実験講座「植物の生存戦略」が行われました。講師は三重大学教育学部の平山大輔先生でした。
この講座では植物の果実や種子の形や色には、どのような意味があるのかについて、種子の旅の仕方を考えました。
風や鳥に乗って移動する種子を「空の旅」、水の流れに乗って移動する種子を「海の旅・川の旅」、動物に食べられたりくっついたりして移動する種子を「陸の旅」と教えていただきました。
空の旅の例については、ニワウルシやサカキカズラ等の種子を持ってきてくださり、飛ぶ様子を観察しました。また、クロガネモチやアキグミの写真を見て、実を赤くすることで、わざと鳥に目立たせて食べてもらい、別の場所に移動することも空の旅の例であることを学びました。
海の旅・川の旅の例に関するお話では、初めにハマヒルガオとアサガオの種を分別するためにはどのような手段を用いるのかを考えました。受講生は「育ててみる?」と答えていましたが、塩水の中にこれらの種を入れると浮くのがハマヒルガオ、沈むのがアサガオだということがわかりました。海の近く生息するハマヒルガオの種は海を移動することを学びました。
陸の旅の例では、アケビはテンなどの動物に食べられ、その動物が移動して糞をすることで移動することや、ドングリは冬眠のために食料をため込むげっし類(ネズミ・リス)によって移動するというお話がありました。ネズミやリスは冬に備えてドングリを地面に埋めるものの、冬になると埋めた場所を忘れることもあるという話に、受講生は驚いていました。
次に、大学構内を歩いていろいろな種を観察しました。赤い実を見て空の旅をする植物だということを確認したり、鳥は早朝か夕方に来ることを教わりました。他にも、栗やイヌビワなど、構内の豊かな自然の中で多くの種について解説してくださいました。
種が旅をする理由は生きていくのに適した場所を見つけ出し、数を増やしていくための生存戦略であることを学びました。