第二段階受講生の寺地優太さんが、日本学生科学賞・内閣総理大臣賞を受賞しました

2022年12月24日、日本における科学コンテストの最高峰である「日本学生科学賞」の第66回日本学生科学賞・表彰式において、近畿大学附属新宮中学校2年生の寺地優太さんが内閣総理大臣賞を受賞しました。

寺地さんは小学6年であった令和2年(2020年)に三重ジュニアドクター育成塾をエリアC(東紀州教育学者)で受講しました。5年生の時に新宮市少年少女発明クラブでウミホタルについて学んだことをきっかけに、ウミホタルがどのようなものを好んで食べるか、野外調査実験を始めました。ウミホタルの採集には魚のアラを使いますが、どのような成分が大事か、私たちの食材を使って野外調査しました。

ジュニアドクターの第二段階に進み、三重大学教育学部の後藤教授の指導を受け、室内行動実験と野外調査実験を繰り返しながら、血液が大事なことを明らかにするとともに、ヘモグロビンに含まれる鉄に着目したところ、ウミホタルが錆た釘に集まることを見つけました。鉄の匂いの成分である化学物質は紅茶にも含まれているということから紅茶を用いた実験をすると、紅茶にも反応することがわかりました。

そこで、鉄の匂い成分として報告されているトランス-4,5-エポキシデセナールに対する反応を三重大学を調べたところ、1ppb(10億分の1)の濃度で反応することを明らかにしました。また、複数の出汁の素を使って、匂いだけでなく、餌の識別に味覚が関係しているかどうか調べ、いりこ出汁に集まることを見つけました。

実験室での行動実験の結果を野外調査実験を往還しながら進める研究アプローチは生物学研究の面白さです。ウミホタルの摂餌に関する研究はまだまだ続きます。