全エリア:STEAM講座「河川防災:流域タイムラインを考える」「火星探査を考える」が行われました

7月27日、28日の2日間、三重大学の数理・データサイエンス館にて、エリア共通のSTEAM講座を開催しました。

STEAM講座は、昨年度の三重ジュニアドクター育成塾から新たに加わった分野横断型の演習講座です。受講生がプログラミング教材(レゴⓇSPIKE ベーシック、レゴⓇSPIKE プライム)を用いて、社会的課題の解決に向けたテーマにグループで取り組むものです。

講師は、昨年度に引き続き、プログラミング教育、河川教育、ICTを活用した科学教育など、様々な分野で活躍中の前田昌志先生(三重大学教育学部附属小学校)にご担当頂きました。

前田先生と受講生たち

1日目は「河川防災における流域治水」、2日目は「火星探査」をテーマとした演習でした。受講生は4~5名の9つのチームに分かれ、例えば1日目には、チームごとに国や流域自治体、住民といった役割を担い、豪雨災害への防災行動を示す各主体となって流域タイムラインを検討し、プログラミング教材を用いて防災上の課題解決に必要なものを創り出していきました。

自分たちで考え、試行錯誤しながらプログラミングと制作を仕上げていくのは大変な作業でしたが、チーム内で積極的に意見交換をしながら楽しそうに取り組む受講生たちの姿が見られました。

制作の様子

昼食休憩をはさんで小一時間もすると、どのチームの制作物も完成に近づいてきましたが、演習はこれで終わりではありません。前田先生から示されたミッションは、「チームを超えて協働し、複数のチームの制作物を組み合わせて一つのストーリーを作り、それを3分間の動画にまとめる」ことでした。どのチーム(1チームと限らない)と連携するのか、どのようなストーリーとするのか、3分間の動画の構成はどのようにするのか等々、すべて自分たちだけで考えなければなりません。

複数のチームで一つのストーリーをつくる

学校や学年などが様々に異なる子どもたちで、しかも今年度初めて全エリアの受講生が対面で集まる講座でしたので、難易度の高い課題に気後れするかと思っていましたが、そのような大人たちの予想に反して生き生きと取り組み、自分のチームの考えをしっかり相手に伝え、また相手チームの考えをよく聞き、うまく動画を作成していく様子が非常に印象的でした。

動画の撮影

最後に、完成した動画を全員で視聴し、前田先生に講評していただいて講座を終えました。

制作した動画の発表

この活動で大事なことは、けっしてプログラミングや制作が「うまくいく」ことではありません。他者と協働して試行錯誤し、うまくいかないことをどう解決するか、あるいは、うまくいかないことはどうしてうまくいかないのかといったことを共に考えることが何より重要です。

本講座で経験したことが、受講生の今後の研究やその取り組み方に大いに役立つことを期待しています。