7月12日(土)、エリアAの三重大学にて観察実験講座『キミを変える気象力~異常気象の不思議を知るってワクワクするぞ~』が行われました。講師は三重大学生物資源学研究科の立花義裕先生です。
今回の講座は「なぜ鉄板を直接触らなくても熱さを感じるのか」「夏場と冬場はなぜ浴室で暑い、寒いと感じるのか」という身近な事象から始まりました。すべての物質は温度に比例して赤外線が放出されており、私たちはその赤外線を吸収することができるため熱さを感じることができると学びました。
また、「水や二酸化炭素のような温室ガスがなぜ赤外線を吸収するのか」という問いについて、立花先生から水分子や二酸化炭素分子には固有振動があることやその振動が赤外線の動きと同周期であるために共振していることを教えていただきました。難しい言葉が多く出てきて混乱している受講生もいましたが、立花先生が身体全体を使って分子の動きを表現してくださったため、楽しみながら納得して学ぶことができていました。

赤外線が地球温暖化に関与していることを学んだ受講生は、タブレットに取り付けることで赤外線を感知してものの温度を測定できる赤外線カメラFLIR(フリアー)を用いて、野外で様々なものの温度を測定する活動に取り組みました。アスファルト、車、木、空の温度を予想してから活動に取り組みました。受講生たちは測定を繰り返すうち、黒色のものは温度が比較的高いこと、どのくらいの時間日の光に当たっていたかで温度が変わっていることなどに気が付くことができました。教室に戻った後は結果の共有や結果からの考察をグループで行い、全体で共有しました。「同じ色のものでも、金属や革など材質の違いや塗料の違いなどで温度に差が出ていたのではないか」など、自分なりの考察を発表することができていました。



最後に立花先生より科学者としての心構えを教えていただきました。「他人と同じことをしない」「正しいと思われていることを疑うこと」という言葉に受講生らは衝撃を受けている様子でした。受講生たちの今後の研究がより良いものになるのではないでしょうか。