エリアA(三重大学):【午前】観察実験講座⑦、【午後】観察実験講座⑧を行いました

8月25日(土)午前の部は、観察実験講座⑦が行われました。

講義テーマは「かたまる不思議」、講師は三重大学教育学部家政教育講座の平島円先生です。

初めに、学習前の知識を用いて、水を含んで固まっている食べ物を書き出し、班で共有しました。

豆腐、プリン、ゼリーなど身近な食べ物を思い浮かべながらグループ学習を進めていました。

その後、先生から皆さんの出してくれた意見を取り入れながらの講義がありました。

食卓で見かけるような、でんぷん(米、小麦粉など)、大豆(豆腐)、寒天(ゼリー)、卵(プリン)、魚(かまぼこ、練り物)などが紹介され、皆さんも「あれも!」と興味津々でした。

その他、かたまる食べ物は大きくたんぱく質、炭水化物に分けられること、ゾルとゲルについても学びました。

実験は、人工イクラを作り、固まると溶けるを観察しました。

人工イクラでは、1%アルギン酸ナトリウム水溶液、水、1%の塩化カルシウム水溶液を用いました。

まずは、アルギン酸ナトリウム水溶液を水に落としました。

水に溶けるばかりでイクラは出来ません。

しかし、アルギン酸ナトリウム水溶液を塩化カルシウム水溶液に落とすと、イクラが出来ました!

まるで本物のようなイクラがたくさん出来ました!!

このイクラはアルギン酸がミネラルと結びつきやすい性質があり、塩化カルシウム水溶液のカルシウムと結びつき固まることを利用してできたのです。

固まると溶けるの実験は、1%の寒天、1%のメチルセルロースを用いて行いました。15秒に1度温度を観察・記録し、中身の観察を行うといった実験でした。

同時に行うことが多く、大変だったと思いますが、役割分担しながら、協力して観察を行っていました。

温めると、寒天は約75℃液体になりましたが、メチルセルロースは約70℃で固体になりました。

冷やすと、逆の現象が起こり、寒天は約25℃で固まり、メチルセルロースはとけました。

その結果から物質によって、温めると固まる物質や冷やすと固まる物質など「固まる」にも物質によって条件が異なることがわかりました。

今回観察したような温めると溶け、冷やすと固まる、寒天温めると固まる、冷やすと溶けるメチルセルロースだけではなく、でんぷんや卵は冷やすと固まったままであったり、ミネラルで固まる豆腐などもあり、それぞれに条件があることが確認できました。

8月25日(土)午後の部は、観察実験講座⑧が行われました。

講義テーマは「魚の感覚器を観察する・理解する」、講師は三重大学生物資源学部の宮崎多恵子先生です。

最初に、学習前の知識確認として、それぞれの動物を系統樹にそって分けるというワークをしました。

小中学校で習った知識を皆さん使えていました。

次に、魚の鼻、舌、目(嗅覚、味覚、視覚)の特徴について、マイワシを使った観察実験を行いながら勉強しました。

どの器官も、人間とは大きく異なっていて驚きましたね。

鼻が口の近くにあって、人間とは全然違う位置にありましたね。

魚の舌は、人間のとは違い、とても固かったですね。

マイワシを解剖して、目から水晶体を取り出しました。透き通っていてきれいですね。

その後、話は目(視覚)にフォーカスし、屈折に関する実験をいくつか行いました。

虫めがね(人間の目に見立てたもの)と、球体(魚の目に見立てたもの)では、屈折率が全然違いましたね。

手前から、水晶、高分子ポリマー、実験で取り出したマイワシの目の水晶体が水に入っています。高分子ポリマーと水晶体は、よく屈折しているのがわかりますね。

「魚の水晶体はなぜ球体なのか?」についてグループで話し合いました。学習した屈折率を利用して考えることができました。

実験が終わりいつも通りまとめをした後、最後に金魚に麻酔をかける実験をしました。

研究をする際に必要不可欠な「動物実験倫理」についても学習しました。その倫理を守り、実権に使用する動物の苦痛を和らげるために、研究において麻酔は手放せません。

麻酔薬を入れるにつれ、だんだん金魚の動きが鈍くなっていきます。麻酔薬はクローブ(丁子)の実由来の油から出来ています。麻酔をした金魚は、きれいな水に入れると、再び元気になりました。