エリアA(三重大学):観察実験講座「放射線教室」ー放射線って、何だろうー

11月7日(土)午後、三重大学で観察実験講座「放射線教室 ー放射線って、何だろうー」が行われました。講師の先生は中部原子力懇談会三重支部の岩崎先生でした。

講師の先生の話を聞く受講生

まず、放射線について知っていることを受講生の間で共有しました。先生から放射線は五感では感じることができないという点や、放射線に関する歴史についての説明がありました。

その後、受講生は目では見ることのできない放射線の飛跡を1912年にウィルソンが発明した霧箱と呼ばれる実験道具を1人1つ作成して観察しました。受講生は光の当て方を工夫しながら、放射線の飛跡を観察しました。また、モナズ石の入った霧箱と入っていない霧箱で放射線の観察を行い、放射線は私たちの身の回りにあることを知りました。

受講生が作成した霧箱
霧箱を使った実験の解説を聞く受講生

放射線の飛跡を観察した後は、そもそも放射線とは何かについて解説がありました。受講生は大人でも誤った理解をしやすい「放射性物質」、「放射線」、「放射能」の意味の違いや、放射性物質は様々な食べ物に含まれていることを学びました。

続いて、1グループが4台の放射線測定器を用いて、船底塗料、花崗岩、塩などの身近な試料の放射線を測定しました。受講生は試料と測定器の距離を変える実験や、鉛やアクリル板といった様々な材質の板を用いた遮蔽の実験を通して、放射線の種類と透過力がわかりました。

様々な材質の板を用いた遮蔽の実験

最後に、放射線は医療、工業、農業といった様々な分野に利用されていることや、放射線による人体への影響は一度に多量に被ばくしない限りは現れない説明から、受講生は風評でなく正しい理解をすることが大事であることを確認することができました。

本講座で作成した霧箱はお土産として持ち帰ることができたので、受講生は「自宅でも実験しよう」と、最後まで積極的な様子でした。