エリアD(皇學館大学):観察実験講座「放射線について」を行いました

7月2日(土)エリアDを対象とした観察実験講座「放射線について」が行われました。

講師は中部電力パワーグリッドの岩崎直弘先生と中西達軌先生で、放射線の軌跡の観察や放射線の測定を行いました。

放射線の軌跡を観察する方法として、「霧箱実験」があります。簡易な霧箱が受講生に1個ずつ配布されました。
プラスチックシャーレ内のスポンジに無水エタノールを染み込ませ、中心に線源(モナズ石)を置き、蓋をします。そのシャーレをドライアイスの上に置き、部屋を暗くします。ライトを照射すると、放射線の軌跡を目で観察することができます。

仕組みは、シャーレの上部と下部で大きな温度差が生じ、気化したエタノールが冷えながら下におりることでエタノールの霧ができます。その霧の中を線源(自ら放射線を放つ物質のこと)からの放射線が通ると、放射線が通った後にエタノールの分子が集まり、飛行機雲のような霧ができます(放射線の軌跡)。

受講生は「すごい!」「これが放射線が通った跡?」と夢中になって観察していました。

放射線の測定実験では船底塗料(線源)を用いて距離の違いによる放射線量の変化の観察や、様々な材料でできた壁で遮ったときの放射線量の違いを測定しました。距離の違いによる放射線量の違いの観察実験では線源からの距離が遠いほど放射線量が低いことが観察できました。また、遮蔽実験ではアクリル、アルミニウム、ステンレス、鉛でできた壁を線源と測定器の間に挟み、どの物質が放射線を遮っているのかを観察しました。その結果、鉛が一番放射線を遮っていることを確認しました。

講座の初めに放射線と聞いて思い浮かぶイメージを書く活動がありました。そこではレントゲン等の使用例も挙げられましたが、「危ないもの」「被爆」といったマイナスイメージも少なくありませんでした。しかし、この講座を通して放射線は空港の金属探知機や癌の治療、注射針の滅菌に使用されていること等を学び、放射線に対して正しい理解ができたと思います。