エリアD(皇學館大学):観察実験講座「昆虫の免疫の仕組み」を行いました

6月4日(土)エリアDを対象とした観察実験講座「昆虫の免疫の仕組み」が行われました。

講師は皇學館大学教育学部の中松豊教授でした。

今回は寄生蜂の一種であるカリヤサムライコマユバチをアワヨトウ幼虫に寄生させる実験を行いました。また、寄生後7日が経過したアワヨトウ幼虫の解剖と未寄生のアワヨトウ幼虫の体内と比較しました。

寄生とは寄主(寄生された側)が寄生者(寄生する側)に利益(栄養の補給等)を与え、寄生者が寄主に不利益を与える関係が一定期間続くことです。

13万種いるハチ目の中で約半数を占める6万種が寄生蜂です。寄生蜂は卵を産む場所や産む卵の個数によって種類が分かれます。寄主体外に卵を産む寄生蜂を「外部捕食性寄生蜂」寄主体内に卵を産む寄生蜂を「内部捕食性寄生蜂」、卵を1つ産む寄生蜂を「単寄生蜂」2つ以上産む寄生蜂を「多寄生蜂」に分類されます。今回実験したカリヤサムライコマユバチは寄主であるアワヨトウ幼虫の体内に複数卵を産むので「内部捕食性多寄生蜂」に分類されることを教えていただきました。

カリヤサムライコマユバチをアワヨトウ幼虫に寄生させる実験では、寄生時の行動をよく観察し、寄生にかかる時間の計測を行いました。

寄生後のアワヨトウ幼虫の解剖実験では、カリヤサムライコマユバチが1度の寄生で何匹卵を産んだのかを確認するため、カリヤサムライコマユバチ幼虫の数を計測しました。

また、カリヤサムライコマユバチの幼虫はアワヨトウ幼虫の体内で何を食べているのか考えるために未寄生(寄生されていない)アワヨトウ幼虫の体内と比較し、観察を行いました。

受講生の皆さんは初めて行う寄生に戸惑いや困難さもあったと思いますが、慎重に寄生を行い、蜂の行動について観察していました。