エリアC(東紀州教育学舎):観察実験講座「植物は動く! ~草や木の生きかたをしろう」を実施しました

11月19日(土)、エリアCを対象に観察実験講座「植物は動く! ~草や木の生きかたをしろう」が開催されました。講師は三重大学教育学部の平山大輔先生でした。

動物と違って、植物にはただじっと立っているだけといった、「動かない」イメージがありますが、本当にそうなのでしょうか?

じつはそうではありません。一度根を下ろすとずっとその場所で生きる植物ですが、根を下ろす前の「種子・果実」の時期には、さまざまな手段で親から離れた場所に移動して、自身の生きる場所にたどりつくのです。この講座では、それを「植物の旅」と呼んで、植物の旅のしかたや、なぜ旅をするのかについて学ぶことを目的にしました。

受講生たちは、講師が用意した多数の種子や果実に触れて、プロペラをもつボダイジュの種子がヘリコプターのように回転しながら飛ぶ様子や、長い綿毛をもつサカキカズラの種子が空中を舞う様子、海岸にすむハマヒルガオの種子が水に浮かぶ様子を確認し、種子や果実の形には植物の「旅のしかた」が現れること、また、「旅のしかた」はその植物がすんでいる場所とも関わりがあることなどを学びました。

教室の中で50分ほど学んだ後は、校舎の外へ出て、木本高校の敷地内で野外観察を行いました。自分たちで植物の種子や果実を探して観察し、それぞれの「旅のしかた」を考えました。

この日は、ツクバネウツギ、ハゼノキ、オニドコロ、イヌマキ、ノブドウ、フジ、サルスベリ、オオモミジといった植物の果実を見つけることができました。中でも、フジの果実(豆果)がたくさん採れました。さやの中にある種子はいったいどうやって動くのでしょうか?答えは、家に持って帰って、しばらく部屋に置いておくと分かるはずです。

一通りの観察を終えた後、教室に戻り、どうして植物は旅をするのかについて改めて考え、講座を終えました。受講生のみなさんに、生きものとしての植物の面白さが伝わっていると嬉しいです。

なお、この日は、JST(科学技術振興機構)の事業である「さくらサイエンスプログラム」により来日した、ホーチミン市師範大学(ベトナム)で理科教員を目指す大学生のカンさんと引率教員のタン先生も講座に参加しました。

講座終了後には、タン先生から受講生たちに向けて10分間ほどお話ししてもらい、将来、ぜひ優れた科学者になって羽ばたいて欲しいというメッセージをもらいました。