エリアA(三重大学):【午前】 探求活動講座 ① 【午後】観察実験講座①を行いました

8月4日午前の部は、第1回探求活動講座が行われました。講義テーマは「課題設定と科学的手法」、講師は三重大学教育学部の平山大輔先生です。

研究を進める上で大事なことは、好きなことに取り組む、対象をよく観察する、なぜ?どうなっているの?をテーマにすることが説明されました。そして、仮説は疑問に対する仮の説明であることを具体例で示し、さらに、演習によってグループ内討議が行われました。

受講生は緊張気味でしたが、講義が進むに連れて積極的に活動に参加していました。特に、「サンゴヘビ」の擬態に関する演習の際には、お互いに質問したり、リーダーシップを取ったりなど主体的に学習を進めている様子が見られました。

また研究において禁止されている不正な活動など研究倫理に関することや、動物を扱う際に必要な生命倫理など、受講生は研究について多面的な視点で学ぶことができました。

 

8月4日午後の部は、観察実験講座①が行われました。講義テーマは「熱エネルギーを体感しよう」、講師は三重大学教育学部松本金矢先生です。

まず、エネルギーとは何かについて考えました。ニュートン力学は時間、空間、もの、ことの4つ要素から成り立っており、「こと」がエネルギーである事を確認しました。エネルギーは、光エネルギーや熱エネルギーなど、自分の身の回りに様々なエネルギーがある事に気づいていました。

次に、ジュール熱について考えました。ジュール熱を求める実験を再現しようとすると、最低10℃の変化は必要であり、計算よりとてつもない高さの実験装置が必要となります。およそ4300mです。ジュールは33年間実験を続け、ジュール熱を求めたという事から、実験には根気強さも求められるという事でした。しかし、松本先生はジュールを越えるために実験を考案しました。水の入ったペットボトルに断熱材を巻き、100回振る毎に温度を計測するという実験です。

実験により、運動エネルギーが熱エネルギーに変換されることを体感しました。水温や空調の影響で、必ずしも降る回数と温度は比例的ではありませんでしたが、実際に体感し、なぜ上手くいかなかったのか理由も考えることができました。

エネルギーについて未習の児童もいましたが、講義を聞きながら自分なりの言葉で説明できたり、まとめたりできていました。また、実験が始まると前のめりになりながら実験をしている様子も見られました。班で協働的に取り組んでおり、とても楽しそうでした。水道水の水温が高く、クーラーの影響などもあり、ペットボトルの温度は中々上昇しませんでしたが、受講生の体温は上がっているようでした。講義の最後に、松本先生の「実験には失敗は無い」という話を真剣に聞いている姿が印象的でした。