5月10日(土)、Zoomミーティングを用いて2025年度の開講式とイノベーション講座『科学的探究のためのコミュニケーション力を考える』が行われました。
はじめに、三重ジュニアドクター育成塾の代表である三重大学教育学部の平山大輔先生より、本事業の概要説明がありました。
ジュニアドクター育成塾では、未来の科学者を目指す皆さんをサポートしていきます。講座だけではなく、外部での研究発表などの機会もあるため、受講生の皆さんには、ぜひ様々なことにチャレンジをして欲しいです。
続いて、開講式が行われました。三重大学 学長の伊藤正明先生より、「受講生の皆さんが、講座を通して5つの能力(課題発見・探究する能力、知識・概念・スキルを活用する能力、情報発信する能力、協働する能力、イノベーションを生み出す能力)を身に付けることを期待しています。3月の成果報告会で成長した姿が見られることを楽しみにしています。」と激励のお言葉を頂きました。また、三重県教育委員会事務局小中学校教育課 課長の尾上修一様より、「AIが発達してきた今、社会をよりよくするためには人間が持つ豊かな感性と想像力が重要になります。ぜひ、目的意識を持って、生活の中で生かされる課題探究に取り組んでほしいです。」というお言葉を頂きました。


また、受講生代表として、津市立久居東中学校1年生の小暮みずきさんが挨拶を行いました。小暮さんは、これまでの科学に関する学習経験や自らの興味関心と共に、「講座を通して、疑問に対するアプロ―チの方法を学び、仲間と共に考え、自分の研究を発表することを頑張りたいです。」とこれからの活動に対する意気込みを語ってくれました。

開講式の後、三重大学教育学部の中西良文先生によるイノベーション講座『科学的探究のためのコミュニケーション力を考える』が行われました。始めに、中西先生から提示されたノーベル賞受賞者に関する資料から、一人で研究を行うよりも、複数人で行うことで、より良い科学的な探究ができることを学びました。また、科学的な発見のためにはコミュニケーションがとても大切であること気づくことができました。しかし、共同をするためのトレーニングをしていないと、責任感が低下し「社会的手抜き」が生じてしまい、チーム全員で課題に取り組むことができなくなる可能性があることを知りました。

そこで、コミュニケーションにおいて大切なことを考えるためにグループ活動を行いました。まず、全員がビデオとマイクをONにした状態で自己紹介をしました。受講生は、聞き手の様子を見たり、話し手に対して頷いたりしながら交流を行いました。次に、全員がビデオOFF、話す人のみマイクONにした状態で好きな休み時間の過ごし方について発表をしました。このとき、受講生は、話し始めるタイミングで迷ったり、早口で発表したりする様子が見られました。その後、話し手と聞き手の立場でそれぞれどのように感じたか話し合いました。受講生からは、カメラがONになっていると表情やリアクションが見えて安心する、相手が話し始めるタイミングが分かるので聞きやすいという意見が出てきました。このことから、受講生はカメラがONになっているということは反応があるということ、コミュニケーションでは活発な反応があることが大切であることを見い出すことができました。その後の自由な交流でも、相手の話を聞いて頷いたり、身振り手振りで話を伝えたりといった、より反応を意識したコミュニケーションをすることができました。
最後に、中西先生より、『話して、聴く』ことで、深い思考を引き出すということ、コミュニケーション力は社会人としてだけではなく、科学的発見のためにも必要であることを教えていただきました。
ジュニアドクター育成塾では、これからもグループで課題に取り組む機会が何度もあります。今回の学びを生かして、より良い探究活動ができると良いですね。