1月26日(土)に、エリアDの皇學館大学で観察実験講座16を行いました。
講師は皇學館大学の片山靖富先生、講義題目は「健康情報リテラシーを養おう」です。
世の中には、数値(実験・調査)を用いた様々な健康情報に溢れています。一見、データがあることで正しい情報に見受けられますが、本当に正しい情報でしょうか?
本講義ではいくつかの例題をあげて、それが本当に正しいかどうかを考えました。特に、正しくないと思った場合は「なぜそう思うのか」を考え話し合いました。
例題
毎日納豆を食べ続けたラット5匹は元気で活動的になりました。
一方で、納豆を食べさせなかったラット5匹は病気がちになりました。
なので、(人間も)納豆をたくさん食べて健康になろう!
さて、それって本当ですか?
そういった疑問を実証する学問があります。
それは疫学です。
疫学とは原因と結果の因果関係を明らかにし、社会現場に対して即戦力となる情報を提供しようとる学問です。
疫学研究で有名な人物に高木兼寛がいます。
ビタミンの父と呼ばれ、海軍カレーを作った人物で、兵食(白米vs玄米)と脚気の関係を証明しました。
その結果が以下の通りです。
軍艦Aの乗組員は麦ご飯を食べた(洋食)→4%脚気にかかった(脚気の4%の乗組員は麦ご飯を拒否していた)
軍艦Bの乗組員は白米を食べた(和食)→44.9%脚気にかかった
※海軍の訓練は約3カ月、両軍艦に訓練の内容の違いはありません。
つまり、麦ご飯を食べた乗組員は脚気になりませんでした。
高木の死後、ビタミンBが必要だと言うことが後に証明され、洋食の一つとして出されたのがカレーライスでした。
では疫学研究はどのように行われているのか?
疫学の研究方法について詳しく学んでいきました。
例えば、システマティックレビュー、ランダム化比較試験、コホート研究、症例対照研究、事例報告、専門家の意見や考え、細胞・動物を用いた研究などです。
エビデンスレベルの高い順番はシステマティックレビューですが、これは研究室内で行っている基礎的な研究があってこそです。
より信頼できる根拠を示すためにはメカニズムを証明する基礎研究が必要ですが大変時間がかかるものです。
そこで、疫学手法を知ることで、より信頼できる情報から情報から判断できるようになると考えています。
テレビなどで、「健康に良い○○」という紹介を見た際は、それは本当かな?と疑う目を持って欲しいと思います。メンターの私たちも受講生と共に講座を受け、良い刺激になりました。何事も直ぐに鵜呑みにせず、疑問を持つ事は大切ですね。