エリアD(皇學館大学):観察実験講座「科学する空 〜雲と虹の物理学〜」が行われました

8月6日(土)、エリアDを対象とした観察実験講座「科学する空〜雲と虹の物理学〜」が行われました。講師は三重県立飯野高校の小林悠介先生でした。今回の講座では雲と虹について学びました。

講座の初めに、自分たちが知っている雲の名前をワークシートに書きました。飛行機雲、雷雲、入道雲などの名前を発表した後、雲は大きく分けると10種類しかないことを教わりました。また、地震雲と呼ばれる雲や気象現象はすべて気象学で説明でき、地震雲というものは存在しないということも教わりました。

小林先生の講座スライドから引用

基本の雲の種類は十種雲形(じゅっしゅうんけい)と呼ばれるそうです。その10種分け方について、先生が自作された模型を使って説明がありました。
地上から2000mまでの空にできる雲を下層雲、2000mから7000mまでの空にできる雲を中層雲、5000mから13000mまでの空にできる雲を上層雲と呼び、下層雲に出来るのは層雲、積雲、層積雲、積乱雲、中層雲に出来るのは高層雲、乱層雲、高積雲、上層雲に出来るのは巻雲、巻積雲、巻層雲ということを教えていただきました。

小林先生の講座スライドから引用

また、日本語の雲形名称は「高さ」「降水の有無」「広がり方」の違いで共通した漢字があることも教えていただきました。十種雲形はさらに「種」「変種」「部分的特徴」「不随雲」で細かく分けることができるそうです。受講生は「この名前知っている!」「知らない…。」等と興味深々でした。層積雲の中のレンズ雲などの写真を見て、この写真の雲はなぜ層積雲やレンズ雲に分類されているのかの根拠について説明がありました。

積乱雲に着目したお話しでは、積乱雲の特徴や発生する条件、発生する仕組みについて説明がありました。実際にペットボトルと炭酸飲料などの炭酸抜けを抑える道具を用いて雲を作る実験を行いました。

その後、外に出て雲を観察しました。観察のポイントは、ワークシートの十種雲形フローチャートを用いて今出ている雲が十種雲形の何に属するのか、積乱雲が見えるかどうかです。この日は下層雲が空を覆っており、積乱雲は見られませんでした。積乱雲はとても大きいので、京都に出来ているものでも観察することができるそうです。観察できた雲は層積雲でした。

フローチャートを見て雲を分類している様子

教室に戻り、次に虹について学びました。空にできる虹色現象はハロか虹が基本で、ハロは氷の粒によって光が屈折してできますが、虹は水滴によってできることを学びました。虹には主虹と副虹があり、色の順番は主虹と副虹で逆だそうです。また、主虹の内側は明るく、外側は暗くなります。外側が暗いことを「アレキサンダーの暗帯」というと学びました。主虹と副虹の違いは水滴内の反社回数の違いで、主虹は1回、副虹は2回反射することや、主虹の見える角度は42度、副虹のできる角度は51度と決まっているそうです。

今回の講座では雲についてたくさん教えていただいたので、空を見上げることが楽しくなったと思います。
今回講師をしていただいた小林悠介先生のブログ等を掲載いたしますので、ご覧ください。
公式ブログ:https://22dhalo.blogspot.jp/