8月21日(日)13時30分より、浅島誠先生(東京大学名誉教授・帝京大学先端総合研究機構副機構長、横浜市立大学名誉教授、産業技術総合研究所名誉フェロー)による特別講演会が、三重大学医学部基礎第一講義室で行われました。講演タイトルは、「生き物の不思議さと面白さを知る 次世代を担う若者へ」でした。
浅島先生は、昨年度もジュニアドクター特別講演会でお話しくださいました。その時はオンラインでしたが、今回は対面での開催が実現しました。当日は32名の受講生と修了生および保護者の方など68名の参加でした。
はじめに、科学をすることで大事なことは、好奇心をもつこと、よく観察して努力すること、継続することの3つが大事であることが、事例とともにお話がありました。
続いて、今、コロナ禍にある中で、ヒトはウィルスや他の生物と共存することは必須であること、ヒトのもつ特性は考える力と五感で感じる力であり、思考、感性、芸術、理性による人らしくコミュニケーションすることは欠かせないというお話がありました。このような先生の思いが、今回の対面での開催につながったものと思います。
次に、先生が受講生と同じ年代のころから不思議に思っていた「卵はどのようにして親になるのか」について研究を進め、アクチビンの発見に至るお話がありました。佐渡ご出身の先生の生物学は朱鷺から始まったことを、トキ色の美しさを受講生に知ってもらうために額縁に朱鷺の羽の入った絵をお持ちくださり、参加者に回して見せてくださいました。
また、浅島先生の研究材料であるイモリを受講生にみてもらうために、今回の会場のお世話をしてくだった医学部形成外科教授の成島三長先生が、ご研究中の再生過程のイモリをご用意くださり、浅島先生が解説してくださいました。
最後に、今後の科学と受講生へのメッセージとして、「生き物は人が知らないことを知っている」こと、それを踏まえて「生き物の面白さと不思議さをみつけよう」と語ってくださいました。
その後、受講生からの十数件の質問に丁寧にお答えくださいました。ご講演と合わせてあっという間の2時間でした。
終了後も先生への質問や、先生の著書を持参してサインをしていただいたり、先生とツーショットの記念写真を撮るなど、受講生の要望をすべて受け入れてくださいました。受講生が浅島先生から直接見聞きしたことを胸に、今後もさらにがんばることが期待されます。