11月18日(土)、エリアDの皇學館大学にて観察実験講座「科学する空~雲と虹の物理学~」が行われました。 講師は三重県立飯野高校の小林悠介先生です。本講座では雲の種類や虹について学習しました。
講座のはじめに、雲の分類や名前について学習しました。雲を分類すると10種類しかないことを教わりました。
10種類に大きく分類された雲を十種雲形(じゅっしゅうんけい)といいます。地上から2000mの間にできる雲を下層雲、2000mから7000mまでの間にできる雲を中層雲、5000mから13000mの間にできる雲を上層雲と呼びます。雲の形や様子だけでなく、発生している高さによっても分類されていることを学習しました。また、豆知識として、飛行機は上層雲が存在する10000mから12000m付近で飛行していることも教えていただきました。
さらに、雲の名称には、「高さ」や「降水の有無」、「広がり方」の違いによって共通した漢字が使われていることも学習しました。高層にあるとても高い雲には「巻(けん)」、中層にあるやや高い雲には「高」、縦にもくもくとしていて積もった雲には「積(せき)」、シートにように横に伸び層状になっている雲には「層(そう)」、雨が降る少し黒い雲には「乱(らん)」が名前に使われています。受講生は写真と照らし合わせて十種雲形を覚えていました。
学習した後に、プリントと綿を使って十種雲形の模型を作成しました。受講生は、それぞれの雲の特徴を捉えながら楽しく作成していました。
その後、大学の4階の窓から空の様子を観察しました。十種雲形のフローチャートを用いて発生している雲は何に属するのかを観察し、調べました。冬も近づき下層から上層に広がる大きな積乱雲は観察できませんでしたが、積雲や層雲など様々な雲を観察することができました。受講生はフローチャートを使って小林先生と一緒に分類していました。
教室に戻り、最後に虹について学習しました。空を彩る虹色現象は、基本的に水滴によって光が屈折してできる「虹」か氷の粒によって光が屈折してできる「ハロ」の2つです。水滴や氷の粒に光が入射すると光は分解され、7色の色が見えます。また、虹には主虹と副虹があることも教えていただきました。主虹と副虹の違いは、主虹は反射1回、副虹は反射2回という水滴内の反射回数だそうです。太陽や観察者の位置についても教えていただき、背に太陽が来るため虹を見ると影が虹の中心にくるということを知り、受講生は虹を見て実際に確認したいと言っていました。
今回の講座で雲や空についてたくさん教えていただきました。受講前に比べ、同じ場所から雲を観察しても違う見え方になっていることでしょう。小林先生がおっしゃっていた「空の観察を人生の楽しみの一つにする」ことができるよう今回の講座を思い出して楽しく空観察をしてほしいと思います。
(文:メンター教育学部4年)