9月25日(土)、エリアEで観察実験講座が行われました。講師は三重大学大学院工学研究科の川口淳先生です。
今回の課題は「地震と建物」で川口先生に過去の地震における建物被害の紹介をしていただき、地震の性質を学習した後、建物が揺れる現象を実験より観察し、耐震対策に関連する要因について考察しました。
はじめに、先生は受講生の好きな「教科」と「その理由」について尋ねると、受講生の社会・国語・音楽・数学・理科などの答えに、「好きを突きつめることの大切さ」について先生の経験のお話があり、受講生は目を輝かせながら聞いていました。
次に、「建物の役割」とは何かについて学びました。電車・バス・飛行機には人が快適で安全に乗れるような設計がされていること、建物にも居住者や利用者に、それぞれの目的に応じて安全で快適な空間を提供するように設計されていることや地震に強い建物にするための工夫がされていることを、質問を交えて解説がありました。身近ものとして、学校での図書室は重さに耐耐えられるように設計されていることや、教室が明るくなるように窓の向きが設計されていることに受講生は感心していました。
建物の設計では、立地条件・建物の高さ・建物形状に依存することや、地面の動きの特徴は「波」「加速度・速度・変位」「周期」と関係があることの説明がありました。また、地震時に働く力では F=mα (mは建物の重さ、αは地面の動き(加速度)であることを先生が開発された模型で示してくれました。
さいごに、地震に対する安全性の確保について、3匹の子ぶたの絵本を例に、ヨーロッパではレンガの家が多いのに対して、日本の家は地盤が揺れやすい周期があるため木造建築の家が多いことなど、環境に応じた工夫が必要であることを学びました。