11月20日(土)、三重大学にてエリアAの観察実験講座「心臓はどのように動いているのか」が行われました。ご担当の先生は三重大学医学部の西村有平先生でした。
本講座の目的は、心臓の動きと血液の流れを観察し、心臓の動きを調節するメカニズムについて考えることでした。まず講座の冒頭では、受講生は心臓病で知っている病気を発表しました。受講生は心筋梗塞や心臓弁膜症といった心臓病を知っており、発表することができました。
本講座では、脊椎動物の実験動物として広く用いられている小型魚類の「ゼブラフィッシュ」の稚魚を観察し、心臓の心拍数と血液の流れる道筋を観察しました。観察には、三重大学教育学部の後藤太一郎特任教授が開発したタブレット顕微鏡「ミエル1㎜」を使用し、写真や動画を撮って観察しました。
心拍数の測定では、平常時の心拍数を調べ、次に未知の薬品を加えた場合の心拍数の違いを調べました。受講生はゼブラフィッシュの稚魚を1人1匹ずつ観察し、10秒間の動画を撮影して、心拍数の平均値を出しました。本講座のように、タブレットを使用した観察では画像や動画を撮影でき、それをデータベースに保存することで、全員が全員のデータを見ることが可能になります。受講生は他の受講生の撮影した動画も見ながら心拍数を計測し、結果を共有することができました。
その後、未知の薬品A、B、Cを加えた場合の心拍数を測り、薬品を投与しない場合とどのような違いがあるのかを観察しました。Aには薬は入っておらず、Bにはアドレナリン、Cにはプロプラノロールが入っていました。受講生はアドレナリンによって心拍数は増加し、プロプラノロールによって心拍数が減少する仕組みを学習しました。
講座の最後には、薬物投与による心臓の活動を調べるシミュレーション実験を行いました。PC上で本講座で使用したアドレナリンとプロプラノロールを疑似マウスに注射し、血圧や心拍数の変化を観察する方法を学習しました。