6月10日(土)、三重大学にてエリアAの観察実験講座「科学と技術-日本と世界の技術・ものづくり教育事情-」が行われました。担当は三重大学教育学部の松本金矢先生でした。
はじめに、受講生は世界の技術教育として、壊れたものを自分で直すのは世界の常識にも関わらず、日本では自分で直すことが常識とは言えない現状があることを学習し、勉強は役に立つのかについて考えました。
本講座では、風鈴を制作することを通して音の性質について学習しました。受講生は、ものの振動と音との関係や材料による音の違いを理解し、自分好みの音が鳴る風鈴の設計・制作に取り掛かりました。
受講生は2人1組になって、パイプを用いたオリジナル風鈴の設計・製作に取り組みました。作り出したい音階を3つ選び、それらの周期を調べ、パイプの長さ、穴の位置を計算によって求めました。小学生の受講生にとって、累乗を含む計算はやや難しいものでしたが、受講生同士の教え合いやメンターによる助けもあって 、風鈴を設計することができました。
風鈴の設計を終えた受講生は、松本先生にパイプの切断と穴を開けてもらい、 やすりがけをしました。最後に、長さの異なる3つのパイプに糸を通し、オリジナル風鈴が完成しました。
本講座により、受講生は勉強する意義を確認するとともに、ものづくりや音につ いての興味関心が高まったことだと思います。研究をしていると、様々な理由で 実験装置が手に入らないことがあります。受講生がそうした壁に直面したときに、 本講座を思い出して、装置を自作して研究を続けてくれることが期待されます。
(文:生川雄大)